2009年12月28日月曜日

東京銀座:スタア・バー

今年も仕事納め。

飲み納めとして、銀座のスタア・バーへと向かう。

途中にウェンディーズがある。

行列ができている。

それも長い。

年内で終わりだからか。

スタア・バーへ到着。

細い階段を下りて行くと、ガラス越しに店内が見える。

ほぼ満席状態。

「いらっしゃいませ~」と仙台出身の伊藤さんが声をかけてくれる。

間にあいているカウンター席に通された。

「お久しぶりです。」

ここのスタッフはみんな気持ちがいい。元気もいい。

岸さんもカウンター右奥から声をかけてくれる。

「帰ってきたな」と思わせる雰囲気が何とも言えない。

「なににしましょ。」

ロブ・ロイを。」

ロブ・ロイ日本バーテンダー協会が主催するカクテルコンテストの「規定種目」だ。

来年、全国大会が香川県高松市で行われる。

そこでバーテンダー日本一が決まるというわけだ。

まだ地区予選の段階。

銀座支部は、リトル・スミスの耳塚さんが1位通過をしている。

大阪北支部は、バー・アルディの池田さんが通過。

それぞれ、関東大会、関西大会を経て全国大会にいける。

そうそう、福岡のバー・梅ノ香の上野さんも福岡支部を勝ち抜いて、九州大会へ向けて準備中。

そして、そのお題を出すのが岸さん。

全国の地区予選を勝ち抜いたバーテンダーは、このカクテルを練習している。

昨年はカルーソーだった。

「岸さんの模範演技を見たくて。」

「模範になりませんよ。」

「なんで??」

「ロブ・ロイは規定のレシピ通りに作ってもおいしくないんです。スイート・ベルモットの量を減らした方がおいしいんですよ。」

「競技会はレシピ通りに作るんじゃないの?」

「そうですよ。厳密に審査します。その意味では難しい競技になりますね。」

よくわからない。

そう言っているうちに、ロブ・ロイができた。

ロブ・ロイは私が好きなマンハッタンのライ・ウイスキーをスコッチに変えたもの。

とても美味しく頂きました。

スタア・バーの付き出しは、スタッフが考えて作ったもので行くたびに違う気がする。

ちっちゃいのが多い。

今回は自家製のレーズンバターをカナッペに。

いろいろな工夫があって楽しみだ。

ふと気がつくと、左手のカウンターに外人のカップル。

話では、オーストラリアのパースから来たとのこと。

「最近、外国の人が増えましたねぇ。」

「何かあったの?」

「向こうの雑誌や新聞にスタア・バーが載ったんですよ。それで。」

「ふーん。」

Japanese Bartending はおもてなしとして世界でも高い評価を得ていると聞いているけれど、さすがだね。スタア・バーは。

ニッカの「宮城峡」がいたく気に入っている様子で、成田で買えるかと聞いていた。

「お次はどうしますか?」

「ザクロの季節だねぇ。ジャック・ローズを」

「了解いたしました。」

出張であちこちいくので、その土地のバーでこの季節はよく飲ませてもらう。

おいしいと思う。ジャック・ローズは。

「お待たせしました。」

2つとも深紅のカクテル。

フレッシュを使ったジャック・ローズは、たぶん今年最後のカクテルだろう。

こういった雰囲気の中で、飲めるのは幸せである。

「おいしかったよ。お勘定を」

このバーは金額的には決して安くない。

でも、払う価値があるなぁと思わせる。

狭い通路を通り、階段を上がる。

必ず誰かが階段の上まで見送ってくれる。

今日は山崎さん。

「今日で最後だと思うから、よいお年を。」

「ありがとうございました。よいお年を」

メインのストリートまで歩いて振り返っても、(いつものように)山崎さんは見送りに立っていた。

気持ちいいものである。

今年一年(のカクテル)を締めくくるにはいい夜だった。

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